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久々にグッときた本。400mハードルのトップ選手だった為末大さんの「諦める力」を読んだ。

 

為末大 諦める力

 

元々100mの選手だった為末さんが、どのような経緯で400mハードルに転向し、国際大会で銅メダルを取れるようになったのかがハッキリとした物言いで書かれている。

 

400mハードルでメダルを取れたのは「諦めたから」だと為末さんは言う。

 

そう、諦めることで勝てることもあるのだということを教えてくれる。同時に、諦めることは逃げではないということも教えてくれる。

 

試合や仕事では常に1番、買っていないと気がすまずそれによって疲弊している人は一読の価値あり。

 

以下特に心に刺さった部分の引用。

 

世の中には、自分の努力次第で手の届く範囲がある。その一方で、どんなに努力しても及ばない、手の届かない範囲がある。努力することで進める方向というのは、自分の能力に見合った方向なのだ。

 

どんな可能性もあるという状態は、何にも特化できていない状態でもあるのだ。できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる。

 

最高の戦略は努力が娯楽化することである。そこには苦しみやつらさという感覚はなく、純粋な楽しさがある。苦しくなければ成長できないなんてことはない。人生は楽しんでいい、そして楽しみながら成長すること自体が成功への近道なのだ。

 

人間は、ある分野で能力が開花しなかったとしても、その分野の能力とは関係のない能力を備えていることもある。それぞれの人間が持つ能力には、そもそもばらつきがあるはずだ。

 

理屈ではどうしても理解できない、努力ではどうにもならないものがあるとわかるためには、一度徹底的に考え抜き、極限まで努力してみなければならない。そして、そこに至って初めて見えてくるものもある。

 

成功という執着や今という執着から離れることで、人生が軽やかになる──これが僕の言いたいことである。

 

これらの言葉に少しでも感じるものがあるなら読んでみる価値ありだ。

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以前から気になっていた米国の作家J.D.サリンジャーの「The Catcher in the Rye」を読んでみた。邦題では野崎孝翻訳の「ライ麦畑でつかまえて」が有名だろう。今回は村上春樹翻訳のものだ。

 

The Catcher in the Rye 村上春樹

 

この作品、ひと言で言えば「ションベン臭さ全開の中二病高校生」の旅の記録である。

 

舞台は大戦後間もないアメリカ。物語の主人公であるホールデン・コールフィールドは成績不良であることを理由に学校を退学させられてしまい、実家に帰るまでの3日間を描いた物語。

 

物語は終始ホールデンの同級生や社会への愚痴で埋め尽くされており、決して明るい内容とは言えない。

 

翻訳については、訳者が村上春樹ということもあり小慣れていて読みやすい。しかし、翻訳で生じる不自然感を100%拭えたものではない。文学の翻訳はそれほど難しいということだろう。

 

青臭いクソガキが学校を追放されて、それを親にも言えず、ニューヨークをさまよい歩き、「やる気になればどうとでもなる」と言い放ち、二度と帰らないと言っていた実家に結局は帰ることになるというなんとも情けない結末。

 

読後の感想として、なぜ今でもこのThe Cathcher in the Ryeが読み続けられているのか、正直理解に苦しむところではある。

 

初版が日本で発行されたのが1952年で、今から60年以上も前。米国では今でも毎年数十万部売れているという。ここまでの人気を誇る作品を面白いと思わないのは、私に読解力がないだけなのだろうか。

 

ただ、面白く無いと思いつつ途中で止めることができず、結局最後まで読ませる魅力があるのもまた事実である。

 

読むのは一日一章にするか、一気にまるまる一冊読むかのどちらかが良いだろう。村上春樹の作品が好きな方は割りとスラスラと読めると思う。オチが無く、作者が何を言いたいのかイマイチ分からない作品が苦手な方は...読まないほうが良いかもしれない。

 

私が読んだのは村上春樹訳のものだが、現在入手できるものとして、野崎孝訳の「ライ麦畑でつかまえて」が存在する。そちらも読んで比較してみたいものだ。

 

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こんにちは@fujitaijuです。

 

伊坂幸太郎の『砂漠』という本を読みました。

 

特別、読みたいと思って読んだ本ではなく図書館で伊坂幸太郎狩りをして、たまたま借りた本。伊坂作品としてもかなりマイナーな部類に入るほうだと思います。

 

伊坂幸太郎の出身大学でもある東北大学(作中では仙台の国立大学として描かれている)を舞台に、大学に入学したばかりの5人をコミカルかつリアルに描いています。

 

私自身、舞台となっている大学に通っていたということもあって、卒業してから8年近く経つにもかかわらず、作中に出てくる風景が目の前にフワッと浮かぶようで、懐かしさのあまり目を細めてしまう場面も。

 

大学生の行動や心情を伊坂節前回の特徴のあるキャラクターたちがとてもリアルに表現してくれるので、大学生だった人であれば自分の昔を思い出して胸が詰まったり、笑えたりするシーンが随所にあります。

 

物語自体、(悪く言うと)抑揚なく淡々と進んでいきますが、自分の大学時代や青春時代を懐かしみたい方には特にオススメの物語です。伊坂作品は10冊以上読んでますが、ベスト3に入る内容。但し、初めて伊坂作品を読むのであれば避けたほうが無難かもしれません。

 

これぞまさに伊坂作品という感じで、とてもライトに読めるので、難しい本の読書の合間に読んでみてはいかがでしょうか。

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こんにちは@fujitaijuです。

 

天使の囀り」や「新世界より」を読んで、すっかり貴志祐介ファンになってしまい、3冊めに手を出したのがこの「クリムゾンの迷宮 」。他の著作とは違い300ページと少し短めの作品となっています。

 

主人公の藤木が目覚めたところは火星のような赤い土や岩に囲まれた土地。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。

 

『ゲームマスターの指示に従って行動していくうちに、人間が狂気に走る様を見せつけられ、極限状態に陥っていく様子はまさに圧巻。物語中盤では本当に自分が主人公になって追われている感覚になり、文字通り手に汗握る展開。

 

人間の「極限」について書かせたら貴志祐介を超える人はいないのではないでしょうか。得意の性描写やグロい表現も健在です。

クリムゾンの迷宮 貴志祐介

 

シチュエーションとしては、アメリカ映画の「SAW」や「CUBE」などを思い浮かべてもらえれば良いと思います。「限られた空有間での人間ドラマ」は本当に手に汗握る展開で、一気に読みきってしまいました。

 

物語の最後がちょっと拍子抜けではありましたが、久しくホラーの名作に出会えていない人にはかなりおすすめできる名著です。

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こんにちは@fujitaijuです。

 

ちょっと今更なんですが、マインドマップに興味を持ってしまい、ずぶの素人でも手軽に読めてサクッと実践できる本を探していたところ、ふだん使いのマインドマップを見つけ購入。

 

マインドマップと言えばトニー・ブザンのザ・マインドマップが有名でこれはちょっと理論ガチガチで固すぎて、マインドマップを書くまでに脱落してしまったので、気楽に書きたい人は「ふだん使いのマインドマップ」がオススメ。

ふだん使いのマインドマップ1

 

以下、箇条書きですが読んでみての感想です。 

  • 本の半分以上が色々な人が実際に書いたマインドマップ事例集で、全てカラー。事例は日常生活、学び、仕事の三つの場面について書いてある。
  • マインドマップを書いたことがない人のための事例集という意味合いが強く、カチカチのマインドマップテクニックを求めるなら他の本がいい。それこそトニーブザンの本とか。
  • 旅行プランをマインドマップにしてた事例がとても秀逸で参考になる(下記画像)(77ページ)
  • 小学校低学年の書いたマインドマップも出て来て、絵やブランチが小学生っぽくて下手だったけど大人にはない発想が参考になった(85ページ)。
  • 漢字学習にマインドマップを使っていたのはかなり斬新。覚えたい漢字をセントラルイメージにして、そこから読みや意味などを、ブランチにして覚える方法は斬新(100ページ)
  • 後半164ページ以降でようやくマインドマップの書き方登場するも、具体論に欠ける印象。しかしこの説明でもとりあえずマインドマップは書けるし、何にでも応用出来るという著者の気持ちは伝わってきた。

 

ふだん使いのマインドマップ2

 

読んで、いくつかマインドマップ書いてみると分かるんですが、ブログのアイデア出しとか、執筆にも使えるなぁと思いました。というかこの本に書いてある通り、なんでも使えるんですよね。「なんでもマインドマップが使える」というのが分かるのが本書の最大の特徴だと思います。

 

私の場合、紙に書くのが"非常に非常に"苦手なのでiPhoneやiPad、Macでマインドマップアプリを探してみたところ、MindNodeがユニバーサルアプリで、しかもiColudを使って同期できてインターフェースも良かったので購入。期間限定セールで850円が500円になっていたのも背中を押してくれた要因。

 

MindNode 2.3.2(¥500)
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
価格: ¥500(最新価格はApp Storeで確認してください)

 

MacバージョンはMindNode Proというものでこっちはちょっと高めですが、無料のLite版だとiCloudを使って同期ができないので買うならProがオススメです。

MindNode Pro 1.9.4(¥1,700)
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
価格: ¥1,700(最新価格はApp Storeで確認してください)

 

今回紹介した「ふだん使いのマインドマップ」と、上記のアプリを合わせて3,775円の出費でしたけど、ブログやサイト作成のアイデア出しなどにガンガン役立ってくれそうです。

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