[レビュー]Ruiner 飛び抜けた個性とスタイリッシュさがものすごい作品。
結構前に発売されて話題になっていたインディーズゲームであるRuinerが50%オフの990円でセールしたので買ってみた。インディーズゲームだとなめてかかっていたけど、クオリティともさることながら、際立つスタイリッシュさや演出がセンスの塊みたいな作品で良い意味で裏切られた。
ちなみに本作のジャンルであるサイバーパンクの定義は以下(Wikipediaより)
サイバーパンク(Cyberpunk)とは、1980年代に成立・流行したサイエンス・フィクションのサブジャンル、もしくは特定の運動、思想をさす。
「サイバーパンク」という単語自体は、1980年代にブルース・ベスキ作の未成年の技術者集団を描いた短編のタイトルとして出現したが、その後の1985年にSF誌の編集者であり評論家であったガードナー・ドゾワによって、作風を指す新語として用いられ、SF界における思想、運動、スタイルをさす言葉となった。従来のハードコアSF[注釈 1]や、スペースオペラ、サイエンスファンタジーなどに対するカウンターとしての思想、運動であり、それらを体現する小説に盛り込まれた要素・スタイルを抽出し、これをサイバーパンクと呼ぶ。
このゲームの開発元であるReikon Games(霊魂)はポーランドのゲームスタジオで、あのWitcher 3を作ったスタッフも関わっているとのこと。それだけでも期待が高まるが、実際のゲームのできは本当に素晴らしいものだった。クリアまでの時間はEasyで4時間程度。ストーリーとしては非常に短いと思うが、値段を考えると妥当だと思う。
評価
コストパフォーマンスはセールの990円なら文句なく星5をつけたいが、通常価格の1,980円ならお得感は下がる。価格を考えたらゲームボリュームは妥当だと思うが、それでも不足していると感じる人はいると思う。それにしてもインディーズ作品なのにUI周りやシステム面もちゃんと作り込んでいて本当に素晴らしい。
項目 | 評価 |
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総合おすすめ度 | ![]() |
コストパフォーマンス | ![]() |
ゲームボリューム | ![]() |
サウンド | ![]() |
グラフィック | ![]() |
システム・UI | ![]() |
操作性 | ![]() |
難易度は高いがリトライが苦にならない
他の見下ろし型視点のゲームと同じで、ゲームパッドを使う場合(自分はXbox Oneコンを使用)は左スティックで移動、右スティックで照準合わせになるが、これがなかなか難しい。右スティックでの照準がグリグリ動いてしまうのでなかなか敵に弾が当たらない。しかも敵も結構ガンガン左右上下に動くので難易度はかなり高めだと感じた(ただし、スキルが揃ってくれば難易度は下がってくる)。
アクションやシューティングが下手な自分としては、チェックポイントがものすごく細かく設定されていて、死んだりゲームを終了しても、死んだりやめたその時点からすぐに復帰できるのはかなり嬉しかった。ボスで死ぬとだいぶ前に巻き戻されるゲームとかあるしね。。。あとロードが爆速なのも死んでからのリトライが苦にならない要因の一つ。難しいが故に、何度も挑戦させる仕組みをうまく作っていると思う。
難易度はEASY、NORMAL、HARDの3段階。脳死ブッパして生き残れるのはEASYまでで、それ以降はちゃんとスキル使って弾もちゃんと避けないとすぐ死ぬ。そういう難易度。一度クリアすると「強くてニューゲーム」が解放される。
カルマ(経験値)、レベル、スキルポイント
敵を倒したらアイテムボックスを開けるとカルマがもらえ、これが他のRPGで言う経験値になる。これをためることでレベルアップしてスキルポイントがもらえ、スキルを取得する。ちなみにスキルポイントはマップ上に落ちてたり、ボスを倒すともらえ、たまに仲間くれるときがある。
条件がイマイチわからないが、敵をある程度攻撃するとダウン状態になり、その状態で左スティック押し込みすることで処刑モーションが入る(下記参照)。この状態で倒すとより多くのカルマがもらえるので、可能な限りこの方法で倒した方がいい。
多様な武器
武器は基本的には使い捨て。武器毎に弾薬数が設定されていてそれを打ち尽くしたら違う武器を拾ってという形になる。武器の数はわりと豊富で、アサルトライフル、ショットガン、レーザーガン、火炎放射器など様々。このゲームは近接武器が非常に強いのだけど、近接にも刀や釘バット、燃えバッドなどこちらも様々(近接には耐久度があるのでこちらも使い捨て)。
独特なグラフィック
カートゥーン調のものとリアル系のグラフィックの混合のようなものでできていて、第一印象は非常に綺麗。サイバーパンクの世界を満喫できると思う。
最後に
あ、でも最後に気づいた(いや、最後ではなくわりと中盤で)。この手のインディーズゲームにありがちだけど、序盤抜けたあたりから「これはやることが同じだ」と一種の悟り状態になってしまい、そのまま終盤まで惰性でプレイしてしまう危険性のあるゲームだった。なので、あまり多くないボリュームは正解なのかもしれない。
やはりインディーズの域を脱してないというか、でもそれは開発費がないからという理由もあり、一方的には責められることではないのだけど、やはり大手ディベロッパの作るゲームはきっちり最後まで作られてることのほうが多い(それでも最近は中途半端な作りのものが多いが)。でも本作はきっちり作られている方だと思う。見下ろし型視点のシューティングに抵抗がなければプレイ必須と言えるくらいの作品だと思う。