[書評]「アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉」を読んで。
読んだ本
アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉
著者:小倉広
評価
項目 | 評価 |
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個人的おすすめ度 | ![]() |
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コストパフォーマンス | ![]() |
ボリューム | ![]() |
所感
基本的には大人の日々の生活(仕事や人間関係)に関することがほとんどだが、育児・教育に関する事も書かれてるので、子供を持つ人や教育者にも役に立つ。中には役に立たない、こんなことは知っているし実践していると思うことがいくつもあるかもしれない。でも、その中に1つでも新しい気付きがあればこの本を読んだ甲斐があったといえると思う(というか本なんてそんなもの)。
一方で、著者は「常に甘やかされて育った子供のような理論を展開しているのがフロイトの心理学」のように心理学の大家であるフロイトやユングを批判しアドラーを絶対的に賞賛しているので客観的に冷静な目で読み進めることが必要。
それにしてもアドラーはフロイトやユングよりも前の時代の人で、研究結果を公表することを好まなかったために心理学者としての地位が(当時は)あまりなかったというのには驚いた。
印象に残った一文
どちらが悪いのか?という「原因」を追求するのは無駄。仕事や家庭において裁判官は不要でそんなことに時間や労力を使うなら、そのエネルギーを未来の解決に費やすほうがはるかに生産的だ。
劣等感を克服するためには」過度な思い込みを改める。自分のダメなところをなくすのではなく、ダメな自分をそのまま受け入れることが必要。つまり、完全であろうとするのではなく、不完全な自分を受け入れる。
結婚では「私は常に正しい、相手が間違っている」と思っている限り、うまくいかない。
第一子は、初めての子として両親の愛を独占する。しかし、第二子の誕生と共に突然「王座と特権」を奪われるのだ。その後、かつての「帝国」を取り戻そうとするだろう。
間違いをわからせるのに叱ったり罰を与えたり脅したりする必要はない。相手に簡単な説明や親しみのある話し合いをするだけで十分だ。信頼関係があれば、相手はそれを受け入れる。
叱られたり、ほめられたりして育った人は、叱られたり、ほめられたりしないと行動しなくなる。そして、評価してくれない相手を敵だと思うようになる。
相手の問題行動をやめさせたいのであれば、それを見つけても注目せず叱らないこと。そして、問題行動をしていない時の適切な行動に注目し、認めてあげる。問題行動に着目するのは逆効果だ。
最後に
人生に迷いがある、悩んでいることがある、育児に疲れた、そんな人は読んでみると心が少しだけ楽になるかもしれない。